人類学の書籍紹介

人類学の文献を(読んだものは)コメント付きで紹介します

エヴァンズ=プリチャード『ヌアー族』

エヴァンズ=プリチャード、E. E.

 1978 『ヌアー族―ナイル系一民族の生業形態と政治制度の調査記録』 向井 元子 (訳)、岩波書店

エヴァンズ=プリチャード、E. E.

 1997 『ヌアー族―ナイル系一民族の生業形態と政治制度の調査記録』 向井 元子 (訳)、平凡社(平凡社ライブラリー)

 

目次

まえがき

序章

第一章 牛に生きる人々

第二章 生態

第三章 時間と空間

第四章 政治体系

第五章 リニィジ体系

第六章 年齢組体系

 

内容(出版社サイトより)

 優れたフィールドワーカーが著した不朽の民族誌。アフリカ・ナイル川上流に住むヌアー族の社会を調査し、緻密に記述した本書は、人類学史上確固たる古典の地位を占める。

 

一言コメント

 人類学をかじった人なら知らぬ者はない、エヴァンズ=プリチャードの古典的名著。E-Pは本書を含む「ヌアー三部作」や『アザンデ人の世界』によって、人類学におけるパラダイムを科学的な普遍志向(人類に普遍の法則を探る)から人文学的な解釈志向(現地の観念をそのまま理解する)へと転換させ、それが現在まで続くことになるわけです。『アザンデ』とか『ヌアー族の宗教』とかは読んでると頭おかしくなりそうになるけど、本書はかなり読みやすいのでおすすめ。

 たった10か月の調査でこんなにわかるんかい、などと言ってはいけない