綾部恒雄(編) 『文化人類学の名著50』
綾部恒雄(編)
目次
1 草創期文化人類学の古典
タイラー 『原始文化』
モーガン 『古代社会』
フレーザー 『金枝篇』
ウェブスター 『未開の秘密結社』
ファン・ヘネップ 『通過儀礼』
エルツ 『右手の優越』
レヴィ=ブリュール 『未開社会の思惟』
デュルケーム 『宗教生活の原初形態』
2 近代人類学の系譜
サピア 『言語』
マリノフスキー 『西太平洋の遠洋航海者』
モース 『贈与論』
シュミット 『民族と文化』
ホカート 『王権』
岡正雄 『異人その他』
ベネディクト 『文化の諸型』
ベネディクト 『菊と刀』
エヴァンズ=プリチャード 『ヌアー族』
石田英一郎 『河童駒引考』
ラドクリフ=ブラウン 『未開社会における構造と機能』
3 啓蒙的名著
ミード 『男性と女性』
ピット=リヴァーズ 『シエラの人びと』
マードック 『社会構造』
クラックホーン 『人間のための鏡』
リーチ 『高地ビルマの政治体系』
レッドフィールド 『農民社会と文化文明への人類学的アプローチ』
ホール 『沈黙のことば』
フォーテス 『西アフリカの宗教における「エディプス」と「ヨブ」』
レヴィ=ストロース 『野生の思考』
ニーダム 『構造と感情』
梅棹忠夫 『文明の生態史観』
ダグラス 『汚穢と禁忌』
コーエン 『二次元的人間』
ファン・バール 『互酬性と女性の地位』
5 現代の視点
フリードマン 『中国の宗族と社会』
中根千枝 『タテ社会の人間関係』
山口昌男 『文化と両義性』
シュー 『クラン・カースト・クラブ』
デュモン 『社会人類学の二つの理論』
サーリンズ 『石器時代の経済学』
サウスホール 『都市人類学』
ゴドリエ 『人類学の地平と針路』
グレイザー/モイニハン 『人種のるつぼを越えて』
ギアツ 『ヌガラ ―19世紀バリの劇場国家』
ポランニー 『人間の経済』
ホブズボウム 『創られた伝統』
アンダーソン 『想像の共同体』
内容
1871年、タイラーの「原始文化」から始まり、1976年のレヴィ=ストロースの構造主義理論に至る文化人類学の発展、それに伴いこの分野の著作も膨大な数にのぼる。文化人類学の名著50冊を選んで解説した。
一言コメント
文化人類学の定番ブックリスト。ちょっと古いですし、コーエンとかファン・バールみたいに今はもう読まれていない人も入っていて一般の方にはおすすめしにくいのですが、90年代日本の文化人類学界隈においてどのような本が重要視されていたのかという意味でも興味深いです。いずれの本についても詳しく内容と意義が説明されているので、文化人類学徒であれば、原著は手に取らずとも本書には目を通しておくべきだと思います。『文化を書く』が入っていないのは不思議ですが、まだ邦訳が出ていなかったからなんですかね。