人類学の書籍紹介

人類学の文献を(読んだものは)コメント付きで紹介します

樫永真佐夫 『殴り合いの文化史』

樫永真佐夫

 2019 『殴り合いの文化史』 左右社 

 

 

目次

1章 人間的な暴力

2章 理性の暴力

3章 殴り合うカラダ

4章 拳のシンボリズム

5章 殴り合いのゲーム化

6章 「殴り合い」は海を越えて

7章 一発逆転の拳

8章 名誉と不名誉

9章 殴り合いの快楽

10章 女性化する拳

あとがき

 

内容

名誉と屈辱、理性と本能、男らしさと女らしさーー

手に汗握る殴り合いの快楽、自らのボクサーとしての経験。

歴史を繙き、現代をフィールドワークすることで、

殴るヒトの両義性を浮かび上がらせる、新しい暴力論。

モハメド・アリ、ピントン堀口といったボクサーの物語をはじめ、

カイヨワ、オルテガ・イ・ガゼーの研究や、

ドストエフスキー柳田国男の作品、

ソクラテス鉄腕アトム、スーパーマンボブ・ディランオセアニア儀礼など、

領域を越えて紡ぎ出される、殴り合いのもたらしたもの。

 

 一言コメント

 ベトナム研究者にして自らもボクサーである樫永氏の新著。まだ未読ですが、殴り合いというありそうでなかったテーマへの目の付け所がすばらしいです。最近の左右社はセンスの良い本を連発していて勢いがありますね。