人類学の書籍紹介

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福島真人 2017 『真理の工場 ――科学技術の社会的研究』

福島真人

 2017 『真理の工場 ――科学技術の社会的研究』 東京大学出版会

 

 

目次

序 章 実験室を観察する――科学技術の社会的研究の道程

 

I 研究実践のミクロ分析

第1章 リサーチ・パス分析――研究実践のミクロ戦略について

第2章 組織としてのラボラトリー――意味と調整のダイナミズム

第3章 知識移転の神話と現実――技能のインターラクティブ・モデル 

 

II 研究実践のマクロ分析

第4章 研究過程のレジリエンス――逆境と復元する力

第5章 ラボと政策の間――研究,共同体,行政の相互構成

第6章 巨大プロジェクトの盛衰――タンパク3000計画の歴史分析

第7章 知識インフラと価値振動――データベースにおけるモノと情報

 

III  リスク,組織,研究体制

第8章 科学の防御システム――組織的「指標」としての捏造問題

第9章 因果のネットワーク――複雑なシステムにおける原因認識の諸問題

第10章 身体,テクノロジー,エンハンスメント――ブレードランナーと記憶装置

第11章 日常的実験と「実験」の間――制約の諸条件を観る

 

附 論 リスクを飼い馴らす――危機管理としての救急医療

 

内容

生命科学創薬研究ラボの観察をとおして,科学研究における知識産出の動態を詳細に比類ない精度でとらえる現代科学論.研究組織の戦略選択,技術革新との関係,国家的な政策とラボ運営,巨大プロジェクトにむけられる期待の動き,そして組織事故やリスク管理…….科学の実践がもつ諸問題をミクロからマクロまで対象とする.