左地亮子 2017 『現代フランスを生きるジプシー ――旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』
左地亮子
2017 『現代フランスを生きるジプシー ――旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』 世界思想社
目次
はじめに
序 章 ジプシーの住まいと共同性をめぐって
第Ⅰ部 旅の道具としてのキャラヴァン――定住化の時代における共同体と移動生活
第1章 変動するマヌーシュ共同体
第2章 行き詰まるキャラヴァン居住
第3章 定住化の時代におけるノマディズムの再編
第Ⅱ部 居住の道具としてのキャラヴァン――身体、他者、環境との関係
第4章 〈外〉へと開かれる住まいと身体
第5章 身体を包み、位置づけるキャラヴァン
第6章 キャラヴァンが支える沈黙の共同性
終 章 紡がれる〈私たち〉とその居場所
あとがき
内容
なぜ彼らは旅人であり続けるのか? 都市周辺の空き地に、移動式住居(キャラヴァン)をとめて暮らす、フランスのマヌーシュたち。〈住まう〉という社会的かつ身体的な実践を通して、社会変化と他者の只中で共同性を紡ぐ人々の姿を描きだす。
一言コメント
フランスの「ジプシー」であるマヌーシュの人々の移動と定住化をめぐる民族誌。開かれた身構えによって他者との共同性を作り出し、拡張された身体としての移動住居を通して空間を分節化してゆくマヌーシュたちの日々の実践が描かれています。対象やテーマのキャッチーさに比して内容はかなり重厚かつ思弁的なので、腰を据えて読むべし。2017年サントリー学芸賞、思想・歴史部門受賞作。