人類学の書籍紹介

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田口陽子 2018 『市民社会と政治社会のあいだ ――インド、ムンバイのミドルクラス市民をめぐる運動』

田口陽子

 2018 『市民社会と政治社会のあいだ ――インド、ムンバイのミドルクラス市民をめぐる運動』 水声社

  

目次

まえがき

序論

一 新しいミドルクラス市民像

二 個人を超えた政治に向けて

三 本書の構成

 

第一章 海辺のコスモポリス

一 ボンベイ/ムンバイ――脱コスモポリタン化の語り

二 フィールドワーク

三 「ゴミから生まれた」市民運動

 

第二章 市民社会と政治社会――複数の統治の相互関係

一 市民社会のポジション

二 政治社会のポジション

三 市民社会と政治社会の制度

四 政治社会と生モラル秩序

五 市民社会と政治社会のつながり

 

第三章 腐敗と反腐敗――市民的な価値の運動

一 日常のなかの腐敗

二 反腐敗運動

三 運動の展開

四 価値の分断と接合

五 二重性の再編

 

第四章 ウチとソト――複数のウチの変容と拡張

一 ウチとソト

二 ボンベイ・フラットの歴史

三 ウチの拡張?

四 ソトとの交渉

五 空間と人格の生成

 

第五章 個人と分人――インテグリティと関係性の可視化

一 〈分人化〉と心理学化

二 インドの分人性

三 心理計測と市民運動

四 関係性の生成と摩擦

五 個人と分人の動態

 

結論

一 ムンバイの市民をめぐる運動

二 市民社会と政治社会のあいだ

 

あとがき

 

 

内容

インド都市部の市民運動を事例に、研究者の論争、活動家の主張、運動の展開を追うことで、「市民」であるとはどのようなことであり、そこではいかなる「政治」が展開されているのかを問う人類学。