人類学の書籍紹介

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金セッピョル 2019 『現代日本における自然葬の民族誌』

金セッピョル

 2019 『現代日本における自然葬の民族誌』 刀水書房 

現代日本における自然葬の民族誌

現代日本における自然葬の民族誌

 

 

目次

序章 新しい死の受容装置                

第1部 社会運動としての自然葬   

 第1章 「葬送の自由をすすめる会」の理想

 第2章 理念としての自然葬

第2部 慣習とせめぎ合う自然葬   

 第3章 創出される自然葬の意味

 第4章 実践としての自然葬

第3部 ダイナミズムのなかの自然葬

 第5章 日本社会の変化と自然葬の意味再編

 第6章 会長交代と新たな問いかけ

 終章 「送られる」と「送る」の間で

参考文献/索引

 

内容

「死を受け入れる」こととは何か!

葬送儀礼は,遺体の腐敗や死者の行方などに説明を与えることで,死を認識可能なものに変換させる文化的装置である。しかし近年,これまで行われてきた葬送儀礼では死を変換しきれない人々が増えている。…(略)…本書は,新しい葬送儀礼を営むことで死を受け入れようとしてきた人々の,不断の試みを描くものである。

NPO法人「葬送の自由をすすめる会」を中心に,日本の近代に成立した共同体と宗教を超えたところで葬送儀礼がいかに生成され,個人はどのように死と向き合っていくかを明らかにしています。