箭内匡 『イメージの人類学』
箭内匡
2018 『イメージの人類学』せりか書房
目次
はじめに――人類学の変貌
第1章 イメージの人類学に向かって
第2章 民族誌的フィールドワーク――原点としてのマリノフスキ
第3章 民族誌的フィールドワーク(続)――転換期の一事例
第4章 イメージ経験の多層性
第5章 社会身体を生きること
第6章 自然のなかの人間
第7章 アナロジーと自然の政治
第8章 近代性をめぐる人類学
第9章 自然と身体の現在へ
おわりに
内容
著者自身のフィールドワーク経験を反芻しながら、「脱+再イメージ化」と「社会身体」という二つの独自の概念を提起し、それを土台に、20世紀人類学の成果を清新な形で蘇らせるとともに、近年発展してきた自然の人類学や科学技術人類学と創造的に対話する。映画・哲学・科学の営みとも通じ合う、新しい人類学的思考のプログラム。
一言コメント
いわゆる「存在論的転回」以前から人類学の中でヴィヴェイロス=デ=カストロやドゥルーズを論じ、ひとり先走りながら転回を続けてきた箭内氏の(現時点での)集大成。フィールドと思弁のあいだを軽やかに行き交いながら、「未開」社会から映画やスポーツに至るまで自在に論じる本書を読めば、それが現在の日本においてトップクラスの知性の持ち主による仕事であることがわかると思います。本書はイメージの人類学(An Anthropology of Image)であることはもちろんイメージの人類学(An
Anthropology for Image)でもあります。全人類学徒必読。