蒲生正男ほか(編) 『文化人類学を学ぶ』
蒲生正男・山田隆治・村武精一(編)
1979 『文化人類学を学ぶ』有斐閣選書
目次
1 現代の文化人類学
文化人類学の歩み(蒲生正男)
現代と文化人類学(蒲生正男)
2 人間と自然の連帯
採集狩猟民の過去と現在(蒲生正男)
苦悩する牧畜民?(福井勝義)
農耕民文化の諸問題(山田隆治)
贈与交換の人類学(村武精一)
3 人間と超自然との連帯
呪術と宗教(山田隆治)
儀礼の諸相(佐々木宏幹)
神話と世界観(阿部年晴)
時間と空間の人類学(倉田勇)
4 人間の連帯
性による結びつき(村武精一)
地域的結びつき(蒲生正男)
親族の結びつき(渡辺欣雄)
社会統制の問題(大森元吉)
冗談と忌避の人類学(松園万亀雄)
5 文化の動態
文明の誕生(岡田宏明)
文化変容の過程(丸山孝一)
土着主義運動の人類学(小川正恭)
☆サブテーマ:文化人類学研究史上の基礎文献
①ラドクリフ=ブラウン『アンダマン島民』 ②マリノウスキー『西太平洋の遠洋航海者』 ③エヴァンズ=プリチャード『ザンデ族の妖術・託宣・呪術』 ④リーチ『高地ビルマの政治体系』 ⑤ミード『アドミラルティ諸島の親族』 ⑥『セントラル・エスキモー』 ⑦クローバー『人類学』 ⑧フレーザー『金枝篇』 ⑨デュルケム『宗教生活の原初形態』 ⑩モルガン『人類の血縁と姻戚の諸体系』 ⑪ベネディクト『文化の型』 ⑫レヴィ=ストロース『親族の基本構造』 ⑬マードック『社会構造』 ⑭シュミット『母権』
内容(裏表紙より)
現代文明が見失った人間の生き方の原型を明示し
人類の未来を考えるための
豊かな手掛かりを提供します
本書は文化人類学という学問から
何を学ぶことができるかを
興味深く解説した魅力的な入門書です
一言コメント
今から40年前に書かれた文化人類学の入門書。世界を人間・自然・超自然の三領域にわけ、人間を中心にそれぞれのかかわり(連帯)の諸相を明らかにしようという方針で編まれたものです。非常に古い本であり、自然という概念なども批判されて久しいとはいえ、重要な概念がよく整理されていて院試対策などでは今でも十分有用だと思います。古き良き人類学の姿を知りたい人もぜひ。