風間計博 2017 『交錯と共生の人類学』
風間計博
2017 『交錯と共生の人類学 ――オセアニアにおけるマイノリティと主流社会』 ナカニシヤ出版
目次
はじめに
序 章 現代世界における排除と共生(風間計博)
第Ⅰ部 移動する人間と「混血」
第1章 鯨歯を纏い,豚を屠る ――フィジーにおけるヴァヌアツ系フィジー人の自己形成の視点からみた共存(丹羽典生)
第2章 「その他」の人々の行き交う土地 ――フィジー首都近郊に生成する「パシフィック人」の共存(風間計博)
第3章 ニュージーランド・マオリの「混血」をめぐる言説と実態(深山直子)
第4章 ヤップ離島社会の共生戦略におけるアイデンティティとネットワーク(柄木田康之)
第Ⅱ部 新たなマイノリティの生成:性・高齢者・障害
第5章 マフとラエラエの可視化と不可視化 ――フランス領ポリネシアにおける多様な性の共生(桑原牧子)
第6章 母系社会・パラオにおけるマイノリティは誰か?(安井眞奈美)
第7章 高齢者の包摂とみえない異化 ――ヴァヌアツ・アネイチュム島における観光業とカヴァ飲み慣行(福井栄二郎)
第8章 「障害」をめぐる共存のかたち ――サモア社会における障害支援NGO ロト・タウマファイによる早期介入プログラムの事例から(倉田 誠)
第Ⅲ部 差異をめぐる記憶と感情
第9章 帝国の記憶を通した共生 ――ミクロネシアにおける沖縄人の慰霊活動から(飯髙伸五)
第10章 狂気に突き動かされる社会 ――ニューギニア高地エンガ州における交換と「賭けられた生」(深川宏樹)
内容
人類学的な共生の論理とは何か
オセアニア島嶼部における移民・「混血」,性・障害,記憶・感情といった民族誌事例を提示しながら,錯綜した現代世界における新たな共生の図式を描くための論理を追究する。